昔から夢だった自分の会社を持ちたい。
資格を取得したので開業したい。
定年後に自分のできることで起業したい
と考えている方。
でも、起業ってどうしたらいい?という方は多いと思います。ここでは、個人でどうしたら起業できるかの手順を紹介します。
あなたの目標は何ですか?
個人で起業を考えている人は多いと思いますが、目標は何でしょうか?
(1)社長になりたい
(2)サラリーマン時代より収入を増やしたい
(3)自分の好きな仕事で食べて生きたい
などが理由として挙げられます。
又、起業といっても個人事業主として開業する場合と、会社を設立する場合、フランチャイズなどで業務委託する場合などがあります。
起業する場合でも最も大事な事、それは今からやろうとしている事は「仕事」であるという事です。
本当に利益が出るかどうかを考えましょう
仕事である以上当然「利益」を出す必要がありますので、ますは今から始めようとしている事が本当に利益を出すことができるかどうかを「細かく」計算する必要があります。
大きくいえば、月の売り上げが○○円見込まれ、必要経費が△△円発生する場合、利益は○○-△△になります。
売上○○というのは算出しやすいのですが、必要経費の計算が甘くなりがちのようで、ますはここを「厳しく」見て出すようにしましょう。
例えば、工具の販売店を開業したいとします。
工具は卸売業者から購入しますが、販売するのに店舗を構えたとしますと必要経費は
(1)工具の購入に必要な費用
・購入代金
・運送量
・領収書などの原本購入費用
・卸売業者を探すための費用(営業経費や紹介料など)
(2)店舗にかかる費用
・賃貸料
・光熱費
・コピー機やパソコンなどの事務用品にかかる費用
・宣伝費(看板など)
・お客様へのお茶など
(3)広告宣伝費用
・チラシや広告
・ホームページを開いている場合、プロバイダとの契約費用など
(4)人件費
・自分の給料
・アルバイトを雇った場合給料
・健康保険、厚生年金保険料(自分+従業員)
(5)税金関係
・法人税
・市民税
(6)その他経費
・社用車がある場合その費用
・社員を教育する間のコスト
・社員を探す際のコスト
などがあります。
工具販売なので、ドライバー1本売れると50円程度の粗利が出たとします。100本売って¥5,000の粗利です。
月に25日間毎日100本売れた場合月に¥125,000の粗利が出ます。
本当にそれだけ売上できるの?
ここで前述の計算よりもう少し厳しく考えておく必要がある事があります。
それは、「本当にそれだけ買ってくれる人がいるの?」という事です。
「店を出したらお客様が買ってくれるだろう」という考え方でいくと、本当に開業後に買ってくれる人がいた場合は良いのですが、お客様は自分の必要のないお金は「1円たりとも」出しませんので、本当に買ってくれる客層の多いところで店を出すか、開業前にそういう顧客が既にいる状態で始めたほうが良いと考えます。
開業する時に最も重要なのはこの部分です。
開業資金は大丈夫?
会社を設立するならば、資本金や、設備に必要な費用、商材の購入費用などが必要になってきます。開業するにあたり、日本政策金融公庫などの融資も利用できますが、会社の資本金は融資金では認められずに自己資金である必要があります。
それと重要なのは、開業してからすぐに軌道に乗れるほど社会は甘くありません。2~3ヶ月は利益が殆ど出ない状態が続くことが珍しくありません。
従ってその間自分の生活費を確保しておかないと本当に「水を飲んで塩をなめて」暮らすことになってしまいます。
さあ開業手続き
1~4をクリアできたら、開業手続きに入ります。
個人事業主で開業する場合はその職種に必要な手続き(飲食店ならばその許可証、法律事務所ならば弁護士や行政書士などの登録)をした上で、開業届けを市役所、税務署に出します。
株式会社を設立するならば、定款というものを法務局に提出し資本金を自分名義で会社名義の口座に振り込みます。
定款を作成するのは経験のない人では結構難しく、行政書士に頼んで作成してもらったりします。
営業する内容などは、将来的にやってみたいものも含んで作っておくと後から定款変更せずにすみます。
役所手続きは、専門家に頼むと都度費用が発生するので、自分でできる様にしておくと後々費用の発生を抑える事ができます。
開業してからは
開業した後は、「タイムイズマネー」という言葉を忘れないようにしてください。
サラリーマンの場合は、上司からの指示を文句言いながらでも続けていたら間違いなく給料がもらえましたが、開業した後は、売上の大小にかかわらず保険料の支払い、店舗の賃貸料などの請求が容赦なく来ます。当然自分で売上が挙げられない場合は即廃業を迫られます。
経験から言いますと、利益というのは自分から外に出ないと得られないという事です。
開業しても自分でお客様が来るのを待っている人はかなり厳しく、空いた時間は自分から顧客を得るために動くくらいの気構えが必要です。
サラリーマンは既に軌道に乗っている会社のシステム上で動けば給料をもらえますが、起業した場合は誰も文句を言う人がいない代わりに全て自分でする心構えが必要ですので当然サラリーマン時代よりは比較にならないしんどい仕事になります。
しかし、自分の手で自分の生活をする為のお金を得ようとする意思は、例え起業が失敗してサラリーマンに復帰した時でも人が真似できないものとして生きてきます。成功をお祈りしています。